音楽工場の謎 先日キリンビバレッジが「午後の紅茶」の広告で炎上していた。あの広告に使われたイラスト、趣味がよいとは到底いえないが、広告でないなら、「あるあるネタ」として問題にならなかったと思う。 広告主であるメーカーの謝罪もお座なりなもので…
『シェイプ・オブ・ウォーター』 映画『シェイプ・オブ・ウォーター』はとてもよかった。今の社会に当てはめてみても、感じいる場面がいくつも見出せるはずだ。筋書きや拵えが回りまわって古典的な結構だと思った。 エンターテイメントの原則である、教条主…
書き換えはほどほどに 私のブログ『鰯の独白』のアクセス数が今年に入って倍増した。訪問者の割合はGoogleからが6割弱、Yahoo!からが2割強、残り1割がTwitterの告知からである。 当初、私は「はてな」の一言紹介欄で、 短編小説、音楽寸評、エッセイ、その他…
覚書:表現の自由について 今世紀に入ってから人権の意識が大きく変わった。社会全体はもちろん、個人的にも。世紀末前後をふり返ってみれば今よりずいぶん無頓着だった。人は平気でひどいことばを発し、差別心をあらわにしていた。昨今おおぜいの人が意識的…
“KING WONDA NUGU WONDA IA KIKELE”は、福岡史朗+2STONE、2018年リリースのアルバムである。 福岡史朗のベストアルバム『HIGH-LIGHT』を当ブログで紹介したのが二年前。それから前作『SPEEDY MANDRILL』のレヴューも書いたし、 彼と彼の仲間たちのライヴを鹿…
左:ピート・タウンゼンド、右:ロジャー・ダルトリー mainichi.jp 著名な劇画原作家、小池一夫さんが平成31年4月17日に亡くなった。82歳だった。 ぼくは小池一夫作品の良い読者ではない。代表作の『子連れ狼』も全巻は読んでいない。だが、青春のときどきに…
思うところあって『悪童日記』を新たに買い求めた。 『悪童日記』はハンガリー出身の女性作家アゴタ・クリストフが1986年に発表した中編小説である。以来、世界の20ヶ国で翻訳・出版されており、日本では1991年、堀茂樹の翻訳により早川書房より発行された。…
最左翼の“オザシン”イワシ、ヘイトデモ・カウンターの頭数になる(初出:Medium 2月10日) 2月3日(日)、熊本市で日本第一党の主催によるデモが行われた。俗に言う「ヘイトデモ」である。連中の旗印は「日韓断交」。こいつは許せん、看過せないな、とおっと…
Twitterにモーメントという機能がある。使い勝手は良くなかったが、公式仕様だったこともあり、重宝していた。ところが先日(10/23)より、スマフォのアプリで作成できなくなった。タブレットでもダメだった。自分の投稿したツイートを手軽に編集できないの…
例のごとく、またもや1ヶ月も更新をサボっていた。それでも過去のエントリーで訪問者は途絶えていない。しかしこれではまるで「不労所得で荒稼ぎする資産家」のようではないか。反省したい。 テレビをぼんやりと観ていると気が変になる。一昨日は芸人たちが…
たとえば、カエターノ・ヴェローソ71年の作品「ロンドン・ロンドン」を聴いていると、ふと松本隆の詩作を想起してしまう。(亡命先である)英国の曇天の空の下で陽光のふりそそぐ故郷ブラジルのクリスマスを想う、みたいな対比の拵えが。 open.spotify.com …
台風一過の7月31日、友人とパートナーとを連れ立って、天草下島へ足を運んだ。目的地は、先月6月20日、世界遺産に認定された崎津集落である。 熊本市からクルマで約3時間、午前8時に出て11時に到着した。と同時に、空を覆っていた雲が退き、強い陽光があたり…
ぼくが青年期に聴いた80年代の音楽の中から、いまだに好きでたまらない曲をいくつかあげてみよう。 ①Durutti Column “Sketch for Summer” 1980 ヴィニ・ライリーのワンマンユニット、ドゥルッティ・コラム。ファーストアルバムの1曲め。イントロの鳥の囀り…
ぼくは『「少年の心をもった音楽家」エルメート・パスコアール in やつしろハーモニーホール(5月10日)』というタイトルで、このブログに記事を書こうと試みた。 が、書けなかった。 エルメートの音楽はまさに「翁にして童」と喩うべきものだった。ぼくはそ…
2013年11月23日、ぼくは足の指を骨折した。仕事を休んでいたが、家に居てもつまらないので、映画でも観ようと思い、近くのシネコンに行ってみた。 【11月25日】 ①今から『かぐや姫の物語』を観ますね。では、しばし失礼。 posted at 12:58:34 ②『かぐや姫の…
ぼくのIPhone8+に収めていたTwitterの「下書き」を見せようか?(言い訳つき) たぶんぼくは「プレ“おたく”世代」に属するんじゃなかろうか。おたくということばを、中森明夫氏が定義づけた以前の風景を目のあたりにしているという意味で。語る相手の守備範…
決めた。明日は前川さんに会いに行こう(4月10日)。 前川喜平氏(前文部科学事務次官)講演会期間:4月11日(水)18:30~場所:くまもと森都心プラザホール(熊本市西区春日 JR熊本駅東口前) 演題:権力の腐敗と暴走 会費:資料代 500円主催:前川喜平講…
安倍晋三とは何かを考えていると以下の出来事を思い出した。むかし戯れにしたためた雑文を、ここに載せておく。 小学校3年生のとき、父親に剣道を習えと促されたことがある。甘ったれた性根を叩き直してこいというのだ。わたしが曖昧に頷くと、父はさっそく…
ぼくは四六時中ローラ・ニーロを聴いているわけではない。 だけども年に何度か、ローラの歌声に耳を傾ける夜がある。聞いたら最後、確実に引き込まれる。他の歌い手と違って聞き流せない。集中を余儀なくされる。余所見のできない感じがする。 ところが先日…
学校と制服 これは凄い、何度も観てしまった。 と佐々木敦氏がほめていたから観てみたけれども、 アイドルネッサンス「5センチメンタル」(MV 好きなテキストではないし、視聴していてなんとも言えない違和感を覚えた。けれども、その引っかかりを無視できる…
追想(とりとめのない) ときたま、昔のことを、ひどく懐かしく思うことがある。 たとえば今みたいな、仕事の合間の休憩時間、バックヤードでぼんやりしているときなんかに思いでがそっと忍び寄る。 私は数年前まで、都内の遺跡発掘調査の会社で作業員として…
フィードバック〔feedback〕 じつは私、以前に書いたMediumの記事をはてなブログに移植しているのです。 いえ、Mediumのサービスがなくなりそうで心配だから、というわけではなくて。 けれども、Mediumに書いた過去の記事が顧みられないのは事実ですね。その…
7月、8月ともに投稿がめっきり減った。書く意欲が減退してしまった。Mediumに限らず、全般的に。 Ryley Walker “Golden sings that have been sung ” ライリー・ウォーカー『ゴールデン・シングス・ザット・ハヴ・ビーン・サング』 鰯(Sardine) 2017/07/10(…
6月に入って、Mediumへの情熱があきらかに減少している。アクセス数も減っていった。 今どこにいるか、 途中から分からなくなった。古い雑居ビルの階下に佇んできみは街を眺める、通りを行き交う人びとの花やかな姿を。きみの目の前を色とりどりのファッショ…
5月は忙しかったので自前の記事が少ない。 未明の襲撃! (チャイ クリームタビー 雄 約4歳) 午前四時。二階の自室の窓辺で飼い猫のチャイがうーうー唸っている。どうやら外猫が屋根を越えて来、私の部屋を覗きこんでいる様子。私が寝ぼけ眼で身を起こし、…
Cabinet to return clock hands before war Prime Minister Shinzo Abe has the idea of returning militarism to Japan. He is planning to revive ideology before World War II by using education. Minister of Education, Culture, Sports, Science and…
機内で邦画を観た話 2月上旬のイタリア旅行記を書こうと思うが、なかなか着手できない。書く暇がないというよりも、気が乗らないのだ。とかなんとか言っている間に3月になってしまった。たぶん、このまま書かず終いになるような気がする。 往復した機内で読…
今日は、3月11日だ。 東日本大震災から7年間の歳月が経過した。 復興の掛け声は国内をかけめぐるが、魂の救済は一向に為されていないように感じる。 日本社会という括りの中で生活していると、時どきぼくは大切な何かを見失っているような気がする。 感情が…
「ウィンウッド・フェリー&パーマー②」の続きです。 ③ロバート・パーマー サクサクッと紹介しよう。世辞や追従は彼の好まぬところだろうから。ロバート・パーマーは前述の二人に比べれば知名度がやや劣る。が、私見では並び称されるべき英国人ソウル・シン…
「ウィンウッド・フェリー&パーマー①」の続きです。 ②ブライアン・フェリー ロキシー・ミュージックのことを2年ほど前に書いて、 そこで「いずれフェリーについても書くつもり」だと宣言してしまったため、書かずに済ますわけにはいけない。小生さほど書く材…