鰯の独白

鰯は、鮪よりも栄養価が高いのです、たぶん。

poetry

アウトテイク集『21世紀の外伝』は本編の布石にすぎぬ

『21世紀の外伝』岩下啓亮 Sardine 配信日:2025年11月30日 このジャケット写真は拡大して見ていただきたい。いろんな情報が詰まっているから。 ※ たとえばトライアングル、フィンガーシンバル、サンバホイッスルは『21世紀のプロテストソング』の収録曲に使…

『変身』は私にとってやっかいな作品集だ

変身 (2025 edition) 岩下啓亮 Sardine 色調はヒプノシスを多少意識した 2001年秋に制作した『変身』は、そのころ新しく導入したベリンガーのミキサーとCD-Rを併用して録音した。音質がクリアになった反面、低音域が瘦せている印象があったので、2025年版で…

"Records of my youth 1984"

灯台の岬 / 12月 雨の日 / 世界中に失恋 岩下啓亮 Sardine 1984年、22歳の私は、暗く、屈折した青春時代を過ごしていた。都内で活発にライブ活動をしていたバンドを辞め、作詞作曲と音楽制作に取り組んだが、芳しい評価は得られなかった。「元気がない」「音…

誰も顧みないだろうシングル『虹彩/夏の記憶/深夜ソナタ』

アルバム 虹彩/夏の記憶/深夜ソナタ 岩下啓亮 Sardine 2025年9月20日、過去に録音した未完成の3曲をミニアルバムの形でリリースします。いつかはちゃんと録音しようと考えているうちに四半世紀が瞬く間に過ぎました。後悔することしきり、ですが、不完全なま…

未完成スケッチ集『Cassette Gadget 4q』 略称:カセガゼフォーク

Cassette Gadget 4q (sketch) 岩下啓亮 Sardine 「ギター一本で歌っても成立するのがホンモノの歌じゃないですか?」と或る大物ディレクターはいった。その忠告を真に受けた私は、いっときアコギの弾き語りのみで曲をつくっていた。大半は使いものにならなか…

鰯の青春白書『Everything / Nothing』2025年版

これは2024年に投稿した記事に歌詞を加えて再構成したものです。 『Everything / Nothing』を1986年に制作して以来、私は構成を変更したことは一度とありません。ただし、音質・レベル・曲間など再リリースにともない随所に工夫を凝らしております。ぜひお聞…

『鰯の遁走』 典型を極めた先にみえるものは?

1999年、私は確かに「遁走」の状態にあった。他人との関わりが希薄になり、同時代性を感じられなくなっていた。特に音楽においては流行とはまったく無縁になり、帰る家を見失ってしまったように感じていた。 つくった歌のカッコ悪さに、自分でも辟易していた…

2025年版の『50/50』について私が知っている二、三の事情

岩下啓亮 Sardineが、1989年に自主制作した『50 / 50』は、岩下のピアノプレイヤーとしての実力が遺憾なく発揮された8曲入り作品集です。 歌とピアノが五分五分という意味で、タイトルを「フィフティ・フィフティ」としましたが、ひとり多重録音によるぶ厚い…

じつは"ミニアルバム"だよ、『Cut 'N' Paste』!

『Cut 'N' Paste』は岩下啓亮 Sardineが2025年5月31日にリリースしたアルバムである。 簡単で散漫な解説。昨年『Cut 'N' Paste』をリリースしたとき、「拾遺集」だとしたが、25年版は、以前の版とは収録曲を大幅に変えている。すなわち「立ってるだけ」と「C…

傑作の森?『鰯の骨格』

岩下啓亮 Sardineが1997〜1998年に制作した音源を収めた『鰯の骨格(英題:Sardine's Skeleton)』は、2025年5月3日(憲法記念日)に発布された。 『鰯の骨格』は、岩下啓亮 Sardineが1997年から1998年に録音した音源を集めて再構成したアルバムだ。 前年の1…

可視化℃『Cassette Gadget 1983-1984』

この記事は、⇣ 前エントリーの続きとしてご覧ください。 kp4323w3255b5t267.hatenablog.com というわけで、『Cassette Gadget 1983-1984』の歌詞カードを掲載します。はっきりいってこの時代の歌詞は、まるでうわごとみたいで、公開するのもこっ恥ずかしいが…

羞恥心を捨てろ。シングル『あなたのクスリ』

久しぶりに聴きました。ちょっとこそばゆく感じるけれど。でも、削ぎ落とされたアレンジとシンプルなメロディ、そして他人を思いやる繊細な歌詞が今の世の中に通じるものがあるのか​​なと思い、四半世紀前に作った曲をシングルとして出すことにしました(Tun…

シングル『夏の記憶』 9/21緊急配信

2024年9月21日、岩下啓亮Sardineは、シングル『夏の記憶』を緊急配信した。 今年に入って私は過去に録音した音源を発掘し、岩下啓亮 Sardineとして、7枚のアルバムと1枚のシングルをリリースしました。もう残りは出すまいと決めていましたが、選に漏れた曲の…

Lyrics:『変身』その他(所沢時代②)

所沢時代①からの続き。これも時系列を示す。 1997年~2000年『所沢時代①』に記載。 2001年『変身』(幻のアルバム) 2002年『21世紀のプロテストソング』「ふわふわ」 2001年の『変身』は、作品集としての体裁が整っていたが、そのままの形で配信することに…

Lirics:Cut 'N' Paste & 鰯の告白(所沢時代①)

埼玉県所沢市では16年過ごした。最初に暮らした寿町のアパートで、1996年から2002年のあいだ、音楽制作に没頭した。この時代に作った曲の歌詞を、録音した順に、二篇に分けて掲載する。 おおまかに時系列を示す。 1996年『離してはいけない』、「高原」 1997…

Lyrics:『21世紀のプロテストソング』

音楽配信しはじめてから5か月が経過した。再生回数に拘泥したくはないが、不可解だのは、最終作にして最高傑作(だと個人的には思っている)の『21世紀のプロテストソング』が、いちばん再生回数が少ないのである。たぶんタイトルで敬遠されているのではな…

Lyrics:『Windsor knot』(浜松時代)&『離してはいけない』

岩下啓亮 Sardineの第二歌詞集です。学生時代の前エントリー(Everything/Nothing & 50/50)に比べると詞の内容が思慮深くなっているように思います。独身者と既婚者の違いもくっきりと表れていますね。 無断転載禁止 Windsor knot(浜松時代:1989~1996) …

支線=指の隙間から零れ落ちた言の葉

頭の隅っこに引っかかっている言葉を時々そっと取りだしてみる。 引っこめた記事に書き洩らした電車に関する記憶を書き連ねてみる。 隅っこに置いたまま干からびさせるにはあまりにもしのびないから。 初めて乗った私鉄は熊本電鉄で通称菊池電車という短い路…

息がつまる

毒つきたい。思うさま毒つきたい。 あいつとうとうおかしくなったかと噂されるくらい毒つきたい。 綺麗事ばっか言ってるといつか破綻をきたす。 常識に囚われてると迂闊に口も開けない。 毒つきたい。あゝ毒つきたい。 それで世間から見放されても社会から放…

いけにえの花

異端を極端として排除しないこと、だにゃ。 キミはぼくのことを普通じゃないというけど、その「ふつう」はどこに拠るの? 自分が普通だと思える根拠はなんなのさ。 極論は淘汰され、異論は排除され、選ばれしものたちの理想の国ができあがる? その中からま…

コキア

もうそろそろ気がついてもいいだろう? ぼくがおかしくなっているってことに。 どうすればいい?きみの考えるような、 人物になる方法がぼくにはわからない。 解決の道筋など訊かないでくれないか。 救済を求めているのはぼくの方なのに。 定められるものか…

暴動 There's a Riot Goin' On

その束の間を見ることで “Cut-Up Edition”

ときおり何もかも打ち棄てて、逃走したくなる。 ……ことばを失ってしまう。 なぜ、なぜ、なぜ。 どうしようもないな、 腐ってやがる。 見なくたって列挙できる。 パッと思いつくだけでも、 毎日毎日、 連日連夜。 しかし、どれくらいまっとうな報せがあっただ…

Oblivion Express

スランプである。調子がでない。何を書いても読んでも、真実味を感じられない。 こういうときは、何日か書くのを休んでいればいいのだ。後頭部にあるイメージの壺に着想のことばが満ちてくるまで。空っぽなのに無理やり捻りだそうとするから、チョロチョロと…

Eye in the sky

詩は時の権力を刺し、利いた風なことをぬかす輩をからかい、おべっかやへつらいを足蹴にし、あるいは自分をも嘲ってみせる。 けど、いちばん危険なのは、身近にいる人。傍にいる者ほど、害を被りやすい。詩作に耽る奴は、他人を顧みない。アート無罪だとし…

プレゼント

たくさんのプレゼントをきみからもらったけれど、 おれはきみに何もプレゼントしていない。 誰かれに愛嬌を振りまいているけれど、 きみに微笑ひとつも返したことがない。 酷いやつだ、 酷いやつだな、おれって。 きみに何を贈ろう? 何を贈ればいい? 何を…

男結び(対訳つき)

【熊本弁】 ば !? なーんばしよっとねイワシさんな あた不器用かねー見とられんばい 紐いっちょ結びきらんちゃ何事や ぎゃんこつも習ってこんだったな 男結びはホウ、こぎゃん要領たい なんも難しかこたなかろうたい? 理屈で考えるよか体で覚えなっせ さし…

オールモスト・ブルー

木曜日の 明けがた近く 新聞配達のバイクが次第に遠ざかる 町はまだ 微睡みのなか 誰かが裏庭の閂をこっそり抜いている 書きさしの手紙 破棄されたシナリオ 親しげな笑みは 誰かれとなく 振りまくものじゃない 田舎紳士の 気まぐれや感傷に いちいちつきあう…

Crucify

真夜中に書いた寓話 実相をトレースしたフィクション 女王様がお隠れになった 門を閉ざし鍵をかけた 見張り塔からずっと 動向を監視なされた されど御婦人がた 注意めされよ わたしがいない間に誰がなにを言ったか いったい誰が味方か敵か 逐一チェックされ…

忠犬イワシのバラッド

退屈な味の◯◯だった。 というフレーズが頭を過り、 さて、これをどう使おうかと、 あれこれ思案しているうちに、 初期に感じた新鮮な情動みたいなものが、 すっかり失せてしまっていることに気づいて そこで、考えるのを放棄する。 かように、 連綿と続く数…