ときどき、ラジオや有線でかかった音楽に「あーこれ前から知ってるんだけどタイトルなんて曲だろ?」と思い煩った経験、あなたはありませんか? 私はしょっちゅう、あります。
8月の終わりごろ、郊外の店でラーメンをススッていたときに、その音楽は流れてきた。ぼくは「はて、誰だっけ?」と記憶を手繰ってみたが、題名が出てこない。翌朝になっても忘れられず、なんとも気持ち悪い。なのでTwitterに、こんな投稿をした。
ゆうべ某所で耳にした歌。60年代のアメリカンポップスで、男女混成コーラスグループで女声がメイン。ママス&パパスやフィフス・ディメンションの系統だと思うが、探し当てられずに悶々としている。記憶を頼りに歌ってみたので、これを聞いて曲名およびグループ名がピンときた方はお知らせください。 pic.twitter.com/76drdMVrri
— 岩下 啓亮 (@cohen_kanrinin) 2017年8月27日
(註:メディアを再生できませんでした。とお使いのパソコンに表示されるかもしれません)
プロフィールページのトップに固定しておいたせいか、たくさんの人が閲覧してくれたようだが、誰一人として「〇〇という曲です」と答えてくれない。私は、自分の歌とピアノが下手くそなせいかなと落胆した。聴いても、何の曲だかさっぱり分からないに違いない、と。
ツイートに示したように、ある程度は的が絞れていた。聴いた印象ではママ&パパや5THディメンション以外にも、サンシャインカンパニーやシーカーズやロジャー・ニコルズのスモール・サークル・オヴ・フレンズあたりを彷彿とさせる、ジャンルで分ければソフトロックで、ただしフリー・デザイン※ほど洒落のめした感じではなく、むしろメインストリームの、強いていえばファミリー/お子さま向けポップスだと思った。
私はペトゥラ・クラークやカウシルズのヒット曲に共通する、きらびやかさが特徴だと感じたのだ。
I Know A Place (stereo) - Petula Clark
Petula Clark - Don't sleep in the subway (HQ)
The Cowsills - The Rain, The Park & Other Things - 45 RPM ORIGINAL MONO MIX
さて、何の音沙汰もなく諦めかけていた二週間後の朝、ミュージシャンのFさんが私の拙い弾き語り入りの投稿をリツイート(紹介)してくれた。
すると、ものの三十分もしないうちに見知らぬアカウントから答えが返ってきた。
スパンキー&アワギャングというグループの曲で「Lazy Day」です(╹◡╹)
Youtubeで確かめてみると、これこれ! 嬉しかったなぁ。
Spanky And Our Gang - Lazy Day - 45 RPM - ORIGINAL MONO MIX
今YouTubeで確かめました。まさにこの曲です。やーモヤッてた気分が晴れました。ご教示ありがとうございます!
回答してくれたのが同郷の方だったことも喜びに拍車をかけた。
インターネットでの私は「不幸自慢」だと揶揄されている(らしい)。そういう傾向は否定できないし、前後二,三週間は右手首を骨折していたこともあって、かなり塞ぎこんでいたのも事実だ。
が、
曲名が「気怠い日」だと分かってスッキリ気分。では出勤。
こんな些細なことで気持ち晴れやかになる、呑気で陽気なお花畑野郎の私は、ご期待にそえず申しわけないけども、不幸どころかかなり幸せなオザシン、もといオジサンなんだ。
※フリー・デザインもついでに紹介しとこう。
The Free Design -[1]- Kites Are Fun
1967年の作品。プレイリストを順に聴いてみてほしい。4曲め「プロパー・オーナメント」、8曲め「アンブレラ」、10曲め「ネヴァー・テル・ザ・ワールド」あたりは、ソフトロックの頂点と称しても過言ではない。