選挙に投票する瞬間、私たちは完全に「ひとり」だよ。家族・所属・職場・思想。関係ない。それらからの束縛はいっさいないんだ。命令に従うわけでも背くわけでもない。絶対的な個人となる稀有な時間。自分の意思で選ぶ、ただそれだけのことさ。
— イワシ タケ イスケ (@cohen_kanrinin) December 12, 2014
ぼくは選挙に出かけ、投票用紙に候補者の名前を書く瞬間、そのことをいつも感じる。この、選挙制度に縛られ、義務を果たさねばならぬ時間が、逆説的に、もっとも個人的な行為であることに、いつもハッとさせられる。それは「引き裂かれた自己」ではなく、意思と行動が合致したところの、到達点なのだ。自己は社会によって分断されるものじゃない。その鉛筆の先と投票用紙の接点に、自己を統合する線が、結ばれるんじゃないか?
センシティヴな人には耐えられないかもしれないが、ぼくはとことん経験主義なんだ。だから気安く、いともたやすく、軽々しく口にする。
「選挙に、いくぜよ!」と。
それから先どうするか、誰を・何を選ぶのかは、きみ次第さ、任せるよ。
《2014/12/13 iPhoneより投稿》
【追記】
選挙制度じたいに疑問を抱くことは、とても大切なことだと思う。現行のシステムは不完全だし、そも議会民主制じたいに欠陥があるのかもしれない。日本の社会を外から俯瞰する必要があるのと同様、選挙そのものから身をひいて思考をとことんめぐらしてみてもいいのかもしれない。
ただ、今はそんな悠長なことを言っていられない。じたばたしつつ、俗世間の海を泳ぎきってゆくしかない。どうあがいたって、ぼくもあなたも、この社会から、政治から、そして日本から、そう簡単には逃げおおせやしないんだから。
【参考までに】
12月1日から13日の間に千件以上のインプレッション(ユーザーがTwitterでツイートを見た回数。文章末尾の数字)を獲得したツイートを掲載しておく(政治・選挙関係のツイートに限定) 。
一言だけ。 おれは生活支持だけど、共産党を排斥するツイートをすごく残念に思う。情けないなあと感じる。敵はそっちじゃないだろ? だったら熊本はどうなる? 一区以外は事実上、自民と共産の一騎打ちだぜ? 自民に勝たせていいのか? 安倍政権を倒すためなら共産を応援するしかないじゃないか!4,516
政治家は汚い、だから信用できないといって、選挙に行かない言い訳をする人がたまにいるけど、その「汚い」をぜんぶ政治家におっ被せてやいませんか、と言いたくなるね。7,506
ビッグデータの御託宣を鵜呑みにして「日本人は自民党が好きな国民だ」という安直な結論を導きだす言論人。そこには確たる思想もなく、思惟を掘り下げた形跡もない。ただの気分。雰囲気。現状追認ここに極まれり。無惨。3,200
これが秘密保護法施行後に政府が画策していることだ。人心を萎縮させ、若者の志向を挫けさす。なんという内向きな国家のありようか。美しい国の正体が斯くも陰険で狡猾なものだという実例だ。こんな調査が許されていいものかどうか考えてみるがいい。 http://www.47news.jp/smp/CN/201412/CN2014120701001439.html … 2,306
日本社会に蔓延る隠蔽体質。それを反映しているというよりも、自ら体現しているのが情報開示を率先して行うべき新聞社であるという、倒錯。7,137
農家の人や県議会の自民党への忠誠は信仰心のようなものだと思う。あとは縁(えにし)。2,563
(自民党員の)親父はいう。顧問についている以上、今回の衆院選を無視はできんと。それともう一つ。先日の市長選で、大西が石原に予想以上の追い上げをくらったので、うかうかしていると、木原は松野の後塵を拝するとの危機感から。 ぼくは生活の党の支持者であり、親父とは関係ないが、いちおう参考までに。1,049
いまの自民党にはハト派がいない。たとえば三木武夫や宇都宮徳馬、それに河野洋平が。安全弁が壊れてしまっているではないかと。派閥間の争いはあっただろうが、その幅の広さが自民の強みではなかったかと。いまの自民は昔と違う、変質してしまったんだと。1,263
それほど自分に自信があるのだろうか。どの党が政権をとろうと、そんなものに自分は左右されないと信じているのだろうか。それとも暮らしぶりが多少悪くなろうが仕方ないと達観しているのだろうか。選挙であたふたするのはみっともないと思っているのだろうか。わからないけど、おれはじたばたするよ。13,722
どうせ自分の選んだ候補者は負けるだろう → 自分の一票では政治は変わらないと打ちひしがれるのは嫌だな → そうならないよう今のうちに予防線を張っておこう → だから投票には行かない この思考サイクルに嵌っている人は多い。内面の合理化。失望するのが怖いフォビア。臆病風に吹かれて。3,475
比例区は「生活の党」とマスいっぱいに大きな字で書いてきたぜ。2,176
フランク・ザッパは自分のコンサート会場に選挙登録のコーナーを設けて、観客に向かって申請用紙に記入して投票に行こうと呼びかけていた。さもなくばきみたちは、大統領の命令で戦争に駆り出される羽目になるんだぜ、断乎としてNO! だと思うんなら選挙権を手に入れろと。偉大なアーチストだった。6,338
政治家なんて誰がなっても一緒、なんて言ってる人は、自分は何も見ていないんですと公言しているようなもの。人を十把一からげにしなさんな。4,502
【2016年1月の追記】
ぼくの敬愛するイラストレーターぼうごなすこさんが、#私が投票に行ったワケ というハッシュタグを作り、それを「NAVERまとめ」に収め、随時更新している。
なすこさんの趣旨はこうだ。
なかなか投票率が上がらない昨今、逆に既に投票に行っている人の行き始めたきっかけをお聞きしてそれらをシェアしたら、投票率を上げる呼びかけの糸口が見つかるのではと思いました。よろしければ"#私が投票に行ったワケ"でツイートして頂ければ、まとめに加えさせていただきます。
この記事も、その中でこのように触れられている。
イワシさんご自身も20代前半の頃は「選挙をプロレスだと思い、公の儀式を忌避する、個人的な事柄を最優先する若者」だったそう。これ思い当たる方きっとたくさんいらっしゃいますよね(私もそうでした)そんなイワシさんがなぜ選挙に出かけるようになり、投票に意味を見出すようになったのか。下記のイワシさんのブログ「選挙、いくぜよ‼︎ - 鰯の独白」にもしっかり書かれています。素晴らしい考察です。
ぼくの考察なんかどうでもいいが、この「まとめ」に収められているさまざまな個人的なきっかけを、ぜひひとりでも多くの人に読んでもらいたい。こんにちに生きる私たち有権者の貴重な証言であり、記録である。