鰯の独白

鰯は、鮪よりも栄養価が高いのです、たぶん。

相手を見誤るな

①昨日、

<あの党が「個人崇拝」でしかないこと、組織としてあまりに脆弱であることなどから関心を失っていきます。今日の惨状を見れば「やはり」でした>

(※あの党とはれいわ新選組のこと)

というツイートを見かけて、嫌な予感がした。今日その予感が的中してしまった。党中央で下された意思決定が個人の思想遍歴にまで反映したのか、と疑うほどに。

 

②あまり言いたくはないが、「〜と主張したのは我が党だけ」式の自画自賛は、内向きな印象を与えるだけだから、やめた方がいい。自分たちの尺度で他党のスタンスを測ることにどれだけの意義があるだろう。我が党こそがたしかな野党だ、と訴えたい気持ちは痛いほど分かるけれども。

 

山本太郎の「必要な防衛装備ならば増額が必要というのは分かります」という日曜討論における発言への誤解釈は、先日の是枝監督の「母親を甘やかす箱なのか」という反語的表現への誤読とひじょうに似ている。彼らの日ごろの活動と発言を知るものにとって、言わんとするところは明白なのだが、「文字通り」だと軍拡容認にも読めてしまうあたりが。

 

④多様な解釈の余地をゆるさない用語の厳格な定義づけを日ごろから訓練している共産党の議員や支持者にとって、山本発言の「必要ならば増額」は、軍備増強への格好の口実になるじゃないかという懸念が先に立つのだろう。れいわ新選組の支持者から抗議を受けても、誤読されるような脇の甘いレトリックを使うほうが悪い、としか思わないはずだ。

 

⑥ただ、共産党が他党への批判を強めつつ自らの正当性を訴えれば訴えるほど、あべこべに民心は離れていく。山本太郎が東京選挙区から出馬することについて(いや、衆議院議員を辞めて参院選に鞍替えすることからして)忸怩たる思いを抱くのは致し方ない。いくら「どちらも頑張れ」と言っても、現職山添拓議員の票を食う心配は払拭できないだろう。誰かが「同担拒否」だと感想を述べていたが、共産党にとってれいわ新選組は、ほんと厄介だから消えて、と言いたくなる邪教にも似た存在だろう。けれども(ツイッターは基本的には何を書いても自由なんだけど)SNS山本太郎を腐せばくさすほど党の印象はどんどん悪くなるばかりだ。やめた方がいい(これはもちろん立憲民主のカルトな支持者にもいえる)。もはや野党共闘など成立不可能な状況ではあるが、野党同士で揉めあうのは不毛としか言いようがない。頼むから自重してくれ。

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最後に、宮本徹氏以下3名への返信を付記しておく。

私は今日5/29の県議補選で西川候補に票を入れました。公約を読んで県議にふさわしい候補だと思ったのと、共産党への一定の信頼があったからです。が、その信頼は今日一日でかなり失われました。いくら護憲と平和を訴えていようと、議員や支持者が他の主張を歪曲して示すようでは、御党を信頼したくてもできません。

ただし、私は金輪際共産党には投票しない、などとは言わないでおく。そこに共存の余地が僅かにでも残っているのであれば、その可能性をみずから塞ぐこともあるまいと考えている。それは「妥協」ではない。相手を見誤るな。たたかう相手は大勢翼賛的全会一致で憲法改悪を目論む政権与党なのだから。