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鰯の独白

鰯は、鮪よりも栄養価が高いのです、たぶん。

迷子のまいごのオトーサン

 
 
 どうしても腑に落ちないんですよ。
 目の前に起こった状況にたいして、憤りを覚えているくせに、自分を抑制してしまうことが。
 ぼくはね、迷子のことで怒りました。二度も。腹が立ったからです。お客サマだからね、面と向かって言えないけれどさ、あんまりだと思ったんですよ。
 やんわりと「叱らないであげてくださいね」くらいは言うけれど。それも本来は、〈接客態度として〉やってはいけないことなんだ。
 Twitterに書いたのを、そのままコピーして載せます。ぼく、僭越ですかね?
 
【2013年10月13日】
 イベント開催中のだだっ広い公園は、どうしても迷子になる子どもが増える。しかし最近の子どもは滅多に泣かない。ただ押し黙って、保護者が現れるのを待っている。
 そして親が迎えに来た途端に、どの子も例外なく親の足にしがみつき、堰を切ったように泣きじゃくるのだ。
 迷子の親御さんに、一言だけいっておきたい。
 決して子どもを叱らないでください。とくにお父さん。どこに行ってたんだ莫迦野郎なんて、子どもを小突かないでください。子どもは泣くのを懸命にこらえて、あなたが来るのを不安な気持ちで待っていたのだから。
 
【2014年5月4日】
 迷子の親どもに告ぐ。
(園内に)呼びだし放送かけて、駆けつけるなり、子どもを叱りとばすのは、ヤメろ。
 子どもがどんなに心細い思いをしていたか、わかってんのか? 迷子になるのは親の監督不行き届き以外の何物でもない。それを棚にあげて、「ホラちゃんと謝れ(ゴツン)」だと? 謝るのはオマエの方だろうが!
 子どもが(公園の職員に)謝る必要なんてない。謝るべきは、自分ちの子どもに対してだ。ところが大抵の親は、「どうして勝手に違うとこに行っちゃうの? 」と子どもを叱る。子どもから目を離していたアンタのほうが、よっぽど身勝手だぜ。そんなことばで、子どもを傷つけんなよ。ただ黙って、よかった、と抱きしめてあげればいいのに。
 それがおたくの教育方針というなら間違っているぞ。厳しく躾けているつもりだろうが、アンタはたんに苛立ちを子どもにぷつけているだけだ。
 もう一度いう。迷子を迎えに来るやいなや、叱りとばすのは、よせ。引っ叩くなど論外だ。スミマセンでしたなんて、(こっちに向かって)言わなくていいから、もっと、わが子をかわいがれ!
 
 
 ぼくはね、目の前で起きたことが、すべてだとは、さすがに思わない。最近の親御さんが全員そうだと敷衍するつもりは毛頭ない。
 だけど、そういう親が多すぎるんだよ。ブスッとふてくされて現れてさ、子どもに向かって「オマエいったいどこに行ってたんだよぉ」と怒鳴りつける親が何人もいたんだ。
 もちろん、ずっとその調子ではないだろう。ひとしきり叱ったあとで、「こんどから気をつけな」とフォローするのだろう。いや、でないと困る。ずっとあの調子で子どもと接しているとすれば、子どもの性格形成に、良いわけがないもの。きっと大方の親は、あとでわが子に優しくするものだと信じたい。
 ただねえ、ぼくの心には暗雲が広がるんだよ。そういう親は、もれなくモラルに欠けているから。ぼくたちは子どもを預かって、落ち着かせて、名前なんかを聞きだし、放送で呼びかける。職員一同そのプロセスを煩わしいとは露とも思わない。親が見つかって、ああよかったーと、いつも安堵しています。それで感謝しろなんて、そんなことは考えたこともない。ただ職務を遂行しただけだもの。でもさ、駆けつけるなり子どもを叱りつける親どもは、子どもに「ホラちゃんと謝れよ」と頭に手を押しつけるんだけれども、自分からは決して、ありがとうもすみませんもお世話になりましたも言わないもんね、得てして。ブスッとふくれたまんま、ほら行くぞと、子どもの手を引っ張ってゆくんだ。ばつが悪いのかもしれないが、それは社会人としての礼節を欠いてはいないか? だからこっちも心配になるんだよ。だいじょうぶかなって。
 
 それともうひとつ。
 子どもに厳しく接するのは親の務めだと思う、のメンション。ああいったツイートを投稿すると、かならずそういった反応が一、二通来るよ。<先ず叱らないと子どもは何が悪かったのか理解できない>とか、<迷子にならないような躾は必要だと思います>とか。
 そんなの、ぼくは躾のうちにも入らないと思いますね。それで子どもが思い知って、迷子にならなくなったとしても、それ以上に子どものこころに、痛手を負わせるような気がしてなりませんね。ゴツンやらバシンやらして言うこと利かすやり方は、感心しないというより、絶対に反対だ。それに、見ていて不快になるよ。
 目の前の事象が不愉快だから、ぼくは憤った。それ以上でも以下でもない。前にも書いたように、そういう傾向が、全国的に、日本社会全体に蔓延しているなんて言うつもりもない。
 ただただ、希うだけ。子どもをいたわってくれと。そんなに痛めつけるなと。親がいなくなって、心細い思いをしていた子どもの気持ちを、もっと理解してあげなよ。見つかったときに、先ずはああよかったねと言って、抱きしめてあげなよ。叱るのはその後でもいいじゃないか。
 一般論ではありません。極私的な感想です。教育論をブツつもりもないし、説教を垂れているつもりもない。
 ただ、ひとりの大人として、ひとりの子どもを育てた親として、ぼくは率直にそう思ったんだ。
 
f:id:kp4323w3255b5t267:20150226132839j:plain ハゼにとまったツグミ
 
 今日掲げるのは、この曲。
 
 
 十年ほど前に、NHK教育テレビで放映されていた、「ハッチボッチ ステーション」より。
 元ネタを知らないうちの子どもだけど、この「グイーン」の回は、とりわけ喜んでいたなあ。グッチ(裕三)さん凄ーい、って。
 親子揃って、笑い転げて観ていたもんです。