鰯の独白

鰯は、鮪よりも栄養価が高いのです、たぶん。

earthquake

2016年4~5月のMedium(地震編)

本エントリーでは余計な解説を省く。反響は以前の投稿とは比べものにならなかった。 被災者 Mediumを利用しているみなさん。 私は熊本市に住んでいます。 そう、今現在も地震の頻発している地域です。 4月14日夜の地震では、まだ自覚がありませんでした。が…

ならない、ならないと連呼したくはないが

益城町を通過した。木山交差点のあたりは相変わらず倒壊した家屋が手つかずのままだった。 いや、方々に瓦礫が寄せられ、ユンボは勇ましく稼働している。なにもなされてないわけではない。町役場から程近い場所には仮設住宅も建ち並んでいる。 けれども、復…

備忘録

被災地の写真を撮って、より多くの人たちに被害の様子を知らせたほうがよいという意見がある。報道で伝えられる範囲はごく僅かであるし、ニュースに割かれる時間が減るにともなって、人びとの記憶は次第に薄れていき、あゝもう通常の生活に戻ったのだなと誤…

見えない「 」 絲山秋子『薄情』

震災後、久しぶりに購入した二冊の書籍について語りたい。絲山秋子チクルスである。まずは『薄情』から。 主人公の宇田川静生は降り積もった雪にコンベックススケールを突き刺す。スチール製の巻尺、メジャーのことである。現場ではコンベと略称されるが、正…

自由の値

自由とは何だろう。 “Absolutely Free”とは? 自由を語りかけるものが、 しばしば不自由な思考である例をみる。 自ら規定した「自由」の囚われの身となって、 不自由な自由を要求してくるのは? この問いに答えはない。 だから答えない。 かつてぼくは自由だ…

雨にけぶる町

東区に入ると街の風景が徐々に変わってくる。ブルーシートを被せた家屋や虎ロープを張りめぐらしたビルが目に見えて増えてゆく。昨日から降り続く雨は強かにフロントグラスを叩きつける。電停の終点から先に進むことを少しばかり躊躇う。大した用事ではない…

Thank U (Part-2, 4.17〜4.30)

前記事に引き続き、Twitterにいただいたメンションを掲載します。ただし日を追うごとにお見舞いや励ましの度合いは薄れ、その代りに(震災とは関係ない)ぼくの発信に対するリアクションへと変わっていきます。よって補足が必要だと感じた返信には( )で補…

Thank You(Part-1, 4.14~4.16)

2016年4月14日(木)から16日(土)まで、Twitterにいただいた励ましのメンションを時系列に並べてみました。敬称略。( )は最低限の補足です。 luna (るな) @luna_emer 4月14日 @cohen_kanrinin イワシさーん、大丈夫ですか!posted at 21:32:27 ぴくるす…

崩壊感覚

あの夜、忘れようにも忘れられないあの夜の激震は、ぼくの2階の部屋を乱暴に揺すぶり、書棚を倒し、押入れの戸を開いた。傾れ崩れてきたさまざまな書籍、原稿、コンパクトディスク、記憶媒体の類は瞬く間に床に散らばり、部屋は足の踏み入れる場を失った。…

書くのも読むのも辛い

震災に遭い、被災者になって10日間が経過した。そのあいだブログに記事を書くことができなかった。被災地の状況をリアルタイムで伝えたくて、Twitterばかり投稿していた。Mediumにも記事を書き、これも多くの人に読まれた。ぼくは未見だが、英訳もされたら…

The Hangman's Knee

とても怖い夢を見た。 死刑になる夢だ。 寝覚めが酷く悪くて、 でも二度寝すると、 また同じ夢を見そうだから、 そのまま起きている。 詳細は覚えていないが、 店舗のショーウインドが割られ、 瓦礫の至る所に散乱する、 荒廃した街を、 怯えながら当て所な…