1.意図的に未編集の記事にしてみよう。それを人は「でたらめ」と称すかもしれない。
2.『ナッシング・ハズ・チェンジド』の曲順。ふつうならキャリアの最初から順を追って並べるところを、その時点の最新作「スー」から過去へ向かって遡上していく。三枚組の最後にいたっては、出世作「スペース・オディティ」David Bowie- Space Oddity Original Video (1969) - YouTube よりさらに以前の、デヴィッド・ジョーンズ名義時代の音源を収録している。通常のベスト盤の時系列を逆転してみせる、これもデヴィッド・ボウイの意図したところか?
3.ポップ・シンガーとして不首尾の結果に終わったボウイは、そのキャリアの途上で、今後いかにすればシーンの最前線に躍り出られるのか、その策を絶えず練っていたのに違いない。ボブ・ディランの歌唱と歌詞の作法は、ボウイに多大なヒントを与えたが、最初はフェイク(紛い物)でもかまわないと割りきって、ディラン・チルドレンのスタイルを積極的に採用したのではあるまいか。
4.ボブ・ディランがロックに自意識を持ちこんだ張本人であるのと同様、デヴィッド・ボウイはロックに批評性を持ちこんだ。それ以前にもロックそれ自体を批評する試みは(ビートルズをはじめとして)少なからず存在したが、批評性を前面に打ちだしたのはボウイを嚆矢だと定めるのは外れではなかろう。
5.かれは興論を好む。センセーショナルを。話題の種を提供し、議論が活性化するのを喜ぶ。かれがソロ活動を始める前に率いたバンドを「ハイプ」と称したのは、スターシステムの本質が詐欺まがいであることを自ら暴露する、ある種の挑発でもあった。
6.<デヴィッド・ボウイはソロ活動に転ずる前は、ハイプ(Hype)というバンドを率いていた。穏やかな意味じゃないよね。自覚していたのだと思うよ。注目を浴びるには、のし上がるにはどうすればよいのかを。そういった山っ気、成功への貪欲な姿勢もまた、かれの側面であり、魅力にも繋がっていたんだ。
7.デヴィッド・ボウイについて語るのは、ほんとうに控えたいと思う気持ちがある。なぜなら、少なくない数のボウイファンの方々が、しばらく静かにしてくれないかというメッセージを、ことば少なに発しているのを知っているからだ。けど、ぼくは止められない。止め処なくあふれてくるのだ、「デヴィッド・ボウイとは何だったのか?」が。
8.思考を促す触媒としての存在。それはデヴィッド・ボウイが表現の核に批評性を常に内在させていたゆえの、いわば宿命でもあった。
9.表現。それは行為と直結しており、自分がなにかしら行動に移す際の指標にもなりえた。たとえば写真を、撮る。撮る側に回るか、それとも撮られる側にか。ぼくは自撮りを好む。それはナルシシズムゆえにかもしれないが、いつも意識下には鋤田正義氏の撮影した『ヒーローズ』のモノクロ写真が存在している。David Bowie - Heroes - YouTube
🔗 鋤田正義 インタビュー ~デヴィッド・ボウイを撮り続ける稀代の写真家~ | Special | Billboard JAPAN
10. だから、思うさま取りざたしようじゃないか。それを当のボウイは望んでいたはずだ。
11.The Times of London
33. デヴィッド・ボウイはオッド・アイ(虹彩異色症:右眼はブルー、左眼は瞳孔が開いたままになりヘーゼルに見える)だし、矯正するまでは歯並びも悪かった。西洋一般の審美眼からすれば、正統なハンサムでもダンディでもない。けれどもかれは直視した、自分の形相をくまなく観察し、対象化し、美醜の概念を組み伏せた。その成果が、自己を投影した楽曲の数々だ。
34. “Breaking Glass”
Baby, I've been
breaking glass
In your room again
Listen
Don't look at the carpet,
I drew something awful on it
See
You're such a wonderful person
But you got problems oh,I'll never touch you
35. ボウイを語る際、異父兄テリー(1984年に鉄道自殺)のことを忘れるわけにはいかない。デヴィッドよりも10歳年上で、少年期のデヴィッドはいつも兄にくっついていたという。
デヴィッドにジャック・ケルアックの『路上』を読むように勧めたのもテリーである。
David Bowie All The Madmen - YouTube
36. 一人のアーティストの生涯を追っていくと、いろいろな枝葉を知ることができる。ぼくにとってのデヴィッド・ボウイはひと言でいうと「知覚の扉」であった。かれは一貫してぼくたちに伝えていた、ドアを開けることを躊躇うな、と。
37. だから批評を抑えるな。思う存分語りつくせ。火葬され、灰から灰へ還ろうとも、David Bowie - Ashes To Ashes - YouTube かれの精神は永遠に生き続ける。
38. たぶんまた何か思いついたら、そのつど更新してゆきたい。書き換えや上書きではなく、追記で。
39. この記事は、採り上げた方々のツイートと引用した松岡正剛氏の文章に意味があるのであって、ぼくはそれをランダムに並べたにすぎません。けれども、毎度のように言っていますが、書かずには次の日 David Bowie - The Next Day (Full Album) Deluxe Edition 2013 [HD] - YouTube に進めないのです。
40. 🔗 ヒッピーやビートニックについて|桃林の桃源郷
41. <🔗 ブライアン・イーノ、デヴィッド・ボウイから先週届いたメールについて明かす | NME Japan きっと、この歌がボウイの念頭にあっての「夜明け」だと思う。BRIAN ENO Spider And I - YouTube 19:59 - 2016年1月11日 >
🔗 Amazon.co.jp: A year: ブライアン・イーノ, 山形 浩生: 本 → David Bowie- 1. Outside [Full Album] - YouTube
<おれ、なにをムキになっているんだろう? 21:23 - 2016年1月13日 >