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鰯の独白

鰯は、鮪よりも栄養価が高いのです、たぶん。

もの言わぬ瞳

 

 再三再四 説明しようとし

 懸命に理解しようとも努めた

 あらゆる信仰に疑念を抱いては

 お互いの自尊心を貶しあっていた

 だけど、もういいや もう終わったんだ

 ことばとことばの鎬を削りあうのは

 会話の歯車が狂ってしまったいま

 帰る道はあまりにも遠い

 家に帰る道は

 

 かつてあれほど気脈を通わせ

 泣いたり笑ったりしたもの同士が

騙されてるぞと耳打ちする声に

 いつの間にか靡いてしまっていた

 だけど、もういいや おしまいオシマイ

 言葉尻ばかり捉まえるようになっては

 受けとめてくれる相手がなくなっては

 戻る道はあまりにも狭い

 故に戻る道は

 

 しんどくなった

 しんだときのことを考えていて

 ふっと絶えた意識 足許の尖塔

 こわくなかった

 こわいという感情が失せていた

 白濁した視界 脳裏を過る閃光

 しぬ寸前だった

 

 

 うわべだけの微笑を交わし

 つかの間の快楽をむさぼった

 孤独をなぐさめあったけれども

 結局なんの解決にもならなかった

 だから、もういいや 済んでしまったこと

 次の約束なんてあてにはできないだろ?

 もの言わぬ瞳がなにか言いだす前に

 出た瞬間に忘れてしまおう

 外に出した瞬間に

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