ダンデライオンは嘘をつかない

「お母さん、次で降りるからね」 ブーツカットジーンズがよく似合うスラリと伸びた細い脚。小6のくせしてわたしよりも長い。昇降口ステップにたたずむ茉耶の後ろ姿は、わが子ながらほれぼれするほど決まっている。 「いったいどっちに似たんだか」 と嘆息まじりの母親を尻目に、娘は気もそぞろ、減速中のドアの前にへばり…