鰯の独白

鰯は、鮪よりも栄養価が高いのです、たぶん。

マストドン蒼象の記録9(2023/02/18〜2023/02/28)

2月後半は、なぜだか過去の回想が増えた。

今現在に、あまりおもしろさを感じないんだ。やれChatGPTだ、やがてシンギュラリティだ、と世間は人工知能が人間を上回る瞬間を、ある種の怯えを伴いつつも固唾を飲んで待っているようだが、私は、自分が十代のころ夢中になった諸々の表現形態をふり返ってみるたびに、はたしてこのころに起こったムーヴメント=創造の極致を、近未来が凌駕しうるだろうかと考えてしまうのだ。

私が想像できる範囲をはるかに超えたものならば、私はその新しさに気づくことなく、見過ごしてしまうのではないか。あるいは、知識として知ったとしても、ほんとうに理解できないのではないか、と。

むかしの方がよかった、を反芻する老人のようだが、2月終盤の私は、そんなことばかり考えていた。

 

 

2023/02/18

たかまつなな氏の言い間違い(ビートルズエルトン・ジョンが云々)はずいぶん前のことだったような気がするが。ああいう奇妙な言説で人心を惑わすインフルエンサーたちを目の当たりにしなくなったことは心身の安定によろしい。やはりツイッターは常駐しないが賢明なようだ。

だけど、ツイッターの悪口ばかりいうのもなんだから、ひさしぶりにマストドン勧誘のツイートを投稿してきた。

岩下 啓亮 on Twitter: "私は@HyoYoshikawa さんのサーバー https://t.co/ewmHTOIpKp に居候しています。居心地よいだけではなく、読み応えある鋭いトゥート(ツイートの意)が毎日たくさん投稿されているよ。ツイッターとマストドンの二択ではなく、私みたいに併用している人も結構いるから、どうぞお気軽にお越しください。" / Twitter

 

先週の旅行で無理をしたからか腰が痛いと妻がいうので、ただいま診察中。整形外科の待合室でマストドンを読んでいる。

私も疲れが溜まっている。睡い。

 

www.chugoku-np.co.jp

広島市教委が小学生向けの平和教育の教材から漫画「はだしのゲン」を削除する方針を決め、波紋が広がっている。「漫画の一部では被爆の実態に迫りにくい」という市教委の説明に対し、「漫画だから伝わる」などと懐疑的な声が目立つ。市教委には削除した判断について、丁寧な説明が求められる。【中国新聞

この件を受けてか、マストドンのタイムラインには、「私が考える反戦マンガ」が多く投稿された。

では私も。山岸涼子『夏の寓話』1976年。

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倉多江美『イージーゴーイング』1976年。

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2023/02/19

年末に、相手のご両親との顔合わせにはそれなりの格好をしなきゃなるまいというんで、チャコールグレイのウール地にチョークストライプのスーツを閉店間際のハルヤ_にて70%offで購入した。 ところが、ドレスコードはスマートカジュアルでと若夫婦からの指示があり、ストライプのスーツでは違和感あるかもよと妻が案じるんで、やむなくツイードのジャケットにハイネックのセーターという長嶋一茂みたいな格好で臨むことになった。ま、いいんだけど、せっかく買ったスーツはいつ着るのさって話で。そうこうしているうちに熊本の気候は温暖となり、今季ウールのスーツに出る幕はなさそうだ。ひょっとしたら一回も袖を通さぬまま、タンスの肥やしと化すのではないかと危惧している。だから給料日のあとに行きつけのバーに赴くときにでも無理やり着ていこうと企んでいる。

ところで、一生に一度は着たいと思ってる装いがある。それは白のオーバーオールだ。できればESSOのワッペンをつけたい。それに編みあげのブーツを履いて。そう、私はピート・タウンゼントの格好をしたいんだ。でも日本人がつなぎを着ると、どうしてもD.T.B.W.B.になっちゃうんだよね(ダウンタウン・ブギウギ・バンドのことだよ)。

 

最近レコードで買って本当に感動したデューク・エイセス&シンガーズ・スリーのサウス・アメリカン・ゲッタウェイ、ちゃんとYouTubeに上げてる人がいた。エラい。CD化されてないのに。@manabe_atwork@toot.blue

youtu.be

おおっと、これは!(ちょっと長めのリプライご容赦を)

私が「サウスアメリカン・ゲッタウェイ」を知ったのは、子供のころ地方局(TKUテレビ熊本)の天気予報や番組間の埋め合わせに、このジャズワルツが使われていたからです。のちにバカラックが『明日に向かって撃て』のサントラに提供した楽曲だと知りまして、かかる経緯はMediumに書いております。

こないだ、ツイッターでジャズコーラスの話題になって。数人のアカウントと会話したんです。… - 岩下 啓亮 - Medium

先日、真鍋さんが編集したプレイリストにニュー・クリスティ・ミンストレルズによるヴァージョンがあり、私は「こっちがテレビで流れていた方だ」と喜びましたが、このデューク・エイセス伊集加代子によるヴァージョンを聞いて、「むむ、こっちかもしれないぞ」と考えを改めました。 なぜなら白黒の画面に映しだされていたのは宮崎の青島海岸の風景でしたから、ヒット曲「フェニックス・ハネムーン」が持ち歌のデューク・エイセス版を使っただろうと考えるのが自然ですものね。

ともあれ、ベースの効いたカッコいい演奏ですね。フーガ展開のコーラスもバッチリ決まってるし、この「サウスアメリカン・ゲッタウェイ」は最高です。掘り下げていただき、ホントに感謝です。

 

2023/02/20

【桜ういろうに】(mstdn.jpに投稿)

いっぺん返信したことがある。百田や有本等をからかう舌鋒は、なかなか鋭いものがあった。私はユーモアの中に毒を含ませる桜ういろうを、トロールだとは思わなかったし、共同通信のデスクだったと聞いても、だろうな、と思ったよ。
しかし、長くツイッターで書いているうちに我を見失ってしまったんだろうな。からかいがエスカレートして、差別発言を弄するようになったら、もうお終いだ。

下の返信には「吉田戦車さん、やはり最高ですね」というコメントが桜ういろう本人から返された。今は元ツイも含めて、ぜんぶ削除されているが

岩下 啓亮 on Twitter: "@uirousakura 百田尚樹って、こんなキャラだよね(『伝染るんです』より)。 https://t.co/N6FAtEza5P" / Twitter

 

mainichi.jp

小沢嫌いはマストドンに)結構いるみたいなので、ちょっと一言。私は小沢氏を評価する派。彼がいなければ、2回の政権交代は起きなかった。@JapanProf@fedibird.com

私はc.r.a.c※いうところの“オザシン”であるが、立憲民主党に移ってからの小沢さんの動向には詳しくない。はっきりいって飼いごろしじゃん、早く袂を分ってくれと思っていたからだ。

昨夜どなたかも指摘していたが、久しぶりテレビに映った姿を見て、その痩せ方に愕然とした。あの周りを圧するオーラが失せていると感じた。

小沢さんが最後のご奉公だといいはじめて何年が経っただろう、立憲民主の執行部は彼の「注文(新聞は意地悪だ)」に耳をかさず、各地域諸団体への挨拶を怠り、他野党との連携を避けた。その結果が今の体たらくだ。私も泉代表を全く評価しないが、枝野復帰であれ逢坂待望であれ、幹部の顔ぶれを一掃しない限り大差ないと思う。小沢さんの忠告を古い・煩いと却けてきた連中に期待はない。

陸山会事件で彼を追及した共産党とも粘り強く交渉を重ね、野党共闘への筋道をつけたこと一つをとっても、小沢の功績は大きい。小沢を好まなくてもいいが、彼の示した方向性を理解するくらいはできたんじゃないかと悔やまれる。

私は政権交代前に、所沢駅前で小沢一郎の街頭演説を聞いて、衝撃を受けた。これほど現在の社会の問題点を理解し、かつ政治が何をすればいいのかのヴィジョンを持つ政治家は稀だと感じたからだ。駅前に集結した大勢の一般市民も思いは同じだっただろう。彼は(比べれば菅直人のように)他の政治家の「悪口」は一度も口にしなかった。ただ、どうすれば政治が良くなるのか、それは皆さん主権者の意思にかかっているんだと説いていた。あれほど堂々とした腑に落ちる演説を以降きかないし、だからこそ世にいう「陸山会事件」の理不尽に私は心底憤りを覚えた。

じつは私がインターネット上で発言しはじめた理由は「小沢一郎への世間の誤解を解きたい」の一心からである。その目的はある程度達成したとは思っている。彼を「小選挙区制を導入した張本人」だとして批判する向きもあるが、では、小選挙区制を撤廃して中選挙区制に戻したとして、それで解決するのか、と反論したくもなる。未だに小沢元凶論をふりかざす頭のかたい一部の左派につける薬はないとも思う。まあ、こういう皮肉は小沢さんの好まぬところだ。他人を批評するよりも現状を良くする案を講じるべし、だ。

彼はいつでも、前に進もうとしていた。

政治家を志したことのない私だから、小沢塾の門を叩く気持ちもなかった。が、今となれば一市民として、関東にいるあいだに参加して、小沢一郎の生の声を目の前で聴いておくべきだったなと後悔している。小沢塾はいったん畳むけれども、なんらかの形で、彼の政治哲学を伝えるべく、場を設けていただきたいものだと願っている。

全く同感です。変化する世界の中で日本が発展していくには、1955年体制ではダメだ、と自民党中枢部にいて考えた訳ですから。政治家の評価は好き嫌いでなく、マックス・ウェーバーが『職業としての政治』で指摘したように、何をしたのかで評価すべき。1955年から政権交代がなかった日本で、自民党から政権を2回奪ったのは小沢氏だけ。@JapanProf@fedibird.com

小沢の欠点は良くも悪くも人を信用しすぎることです。そして関わった政治家たちのほとんどは彼を利用はしたけど、(選挙の)技術と(政権交代の)意思すらも学習しなかった。それが今につらなる本邦の政治の不幸だと思います。

fediverseで所沢の話を見かけると思ってませんでした。あたしの人生でそうとうお世話になった街で、駅前の街頭演説は懐かしいもんです。街頭演説でなくてもあたしが駅前で音楽を弾いてるあいだ、時々市民と挨拶、会話をする政治家の姿もまた良い思い出。@OctaviaConAmore@tech.lgbt

所沢市には1996年から2013年までの17年間を暮らしていました。いろんな意味で政治が身近にある街でした。そして音楽家や漫画家などクリエイターも多く住んでいた。私もそのひとりでした。

※ クラックなる団体はまったく好きではないが、野間易通はおもしろい人だと思っている。元花電車だから音楽の造詣は深いし、熊本地震のときには誰よりも早く私の緊急投稿をリツイートしてくれたから。

2023/02/21

【今週の新譜①】

ハイクオリティなのは言わずもがな、なんだけど、では、シロウトのとうてい及ばない領域かといえば、そうとも限らない。ここに提示されたアイディアを応用することは誰にでも可能である。そういう考えをうながす、じつにコンパクトで風通しのよい歌とアンサンブルである。

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【今週の新譜②】

これまたすごい歌とアンサンブルだ。カート・エリングの強靭な喉に、ネイト・スミスのドラムとチャーリー・ハンターのギター。ツボを押さえまくっている。必要最小限で最大の効果を得ている。音楽から学べる事柄は意外と多いのだな。軽快なフットワークの三曲めがとても好き。

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評価できない理由を縷々並べたてるのも結構だが、これなら私も評価できるという思想なり理想なりはないのか。あるならそれを提示してみてはどうか。

あれはダメこれもダメと対象を斬るのが得意な人はいる。それは間違い何故ならばと解説するのが上手な人もいる。ではこれはどうだろう、そんな思想に傾倒してないでこっちを学んだほうがためになるよといえる人は極少ない。そんな考えに毒されているからダメなんだよと端ッから貶す人が大半だ。そンなら先生、金輪際あなたのご高説には耳を貸しませんよと、こうなる。要するにへたくそなんだよ。学ぶべき・よりよき選書を他者にすすめるスキルが圧倒的に不足している。みずからが拠り所としている思想体系が絶対に正しいと信じこんでいると驕りが発生する。自分自身の考えは空疎なものかもしれないのに、自信たっぷりで。

(これは、私の小沢一郎に関するトゥートに、旧知のアカウントが「私は小沢を評価しないな」とエアリプしていたのをみて、書いた。

すると、これも旧知の「本件の特殊性に鑑み」さんが、こんな心情をトゥートしていた。)

小沢さん、もう政治はいいから、普通の人向けに発信する場を作ってくれないかなぁ…

今の状況じゃ、政党を通して何かを変えるのは無理だよ。@pristinanomine@fedibird.com

同感です。

( ; ; )

 

気のせいかもしれないけど、しばらくのうちにツイッター、どうも画質が低下しているような……
パソコンの画面で見ると、とくにそう感じる。
いや、きっと気のせいだろう。
もしくは自分の視力の低下だ。私のも、他の人のも、アイコンやヘッダーやサムネイルが、とても不明瞭に見えるのは。
気がつかなかっただけで、前からこの程度の解像度だったのかもしれないし。
(mstdn.jpに投稿。ツイッターにも同様を投稿)

 

2023/02/22

【今週の新譜③】

マディソン・マクファーリンの、今まででいちばん出来がいい曲ではないかしら。父親譲りの歌の巧さは折り紙つきだから、何度でも聞ける楽曲かどうかが決め手になる。その点これは簡素なアレンジが歌を引き立てているので、すこぶる快適。

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ところで、リアン・ラ・ハヴァスは最近どうしているんだろう。 2020年ごろジョーダン・ラカイやジェイコブ・コリアーと並んでひんぱんに聞いたものだが。新譜を待望するひとりだ。

リアン・ラ・ハヴァスといえば、ライブ演奏で感動的なカヴァーがあったことを今思いだし、急遽バカラックのプレイリストに追加した。

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深夜にふらりと寄ったスーパーマーケットでロマネスコを見つけて買おうかどうしようかと思って止めました。味はあまり好きでは無いのに、あの姿、フラクタルというのでしょうか?とても魅力を感じます。@yorukumaminmin@songbird.cloud

ロマネスコ。あれを買おうとするたびに気持ち悪いからやめてと制止されるのだ。味は、んー微妙。カリフラワーほど旨くはない(そういや天草産のカリフラワーですこぶる美味しいのがあった。最近見かけないなあ)。

 

朝起きたら下水臭がした。家の中だけかと思いつつゴミ出しで外に出てみても、やはり下水臭い。なんだか嫌な予感がする。こういうこと前にも一度あった、2016年に。

勤務地近くでも同じ臭いがする。私の嗅覚がおかしいんだろうか。とにかく今日一日気をつけよう。

 

mainichi.jp

マイナ保険証への対応を医療機関に義務付けるには本来は健康保険法の改正が必要なのに、省令の改正で代替した国の対応は、国会を唯一の立法機関とする憲法41条に反すると訴えている。

国は2022年9月、厚生労働省令を改正し、今年4月から患者がマイナカードでの保険資格の確認を求めた場合、医療機関はこれに応じることを義務付けた。また、オンラインで確認できるシステムの体制を整備することも医療機関に求めた。

マイナンバーカードの普及を進めるにあたって国会での十分な論議をせず、省令の改正のみで医療機関にマイナ保険証の対応を義務づけるといった国=政府の露骨な企ては、とうてい許されるものではないが、そこまで躍起になって国民に是が非でもマイナカードを持たせたい理由は何だろう。

利権だけでは説明できまい。やはり根底に、国民の財産から健康までを徹底的に調べあげ、管理し尽くし、支配下に置きたいという宿願があるとしか思えない。

 

「さよならは夜明けの夢に」
ムーンライダーズの鍵盤奏者で、優れたプロデューサーでもあった岡田徹さんが亡くなった。
「いとこ同士」「ブラッディーマリー」「週末の恋人」「沈黙」など、彼の作る楽曲には気品と格調があった。

この歌も時代を超えて歌い継がれるだろう。

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2023/02/23

なんでそんな引用をブーストすんのさ、と虚しくなることがある。前提に不信を募らす目的がある言説に、なぜいいねを押せるんだろうと。まぁいいや。しばらくしたらまた会えるだろう。どこかでかならず交差するだろうから。

(註:こともあろうか、「こたつぬこ(木下ちがや)」なんかのツイートを引用して、れいわ新選組を批判していたトゥートをみて、うんざりしたのである。れいわがガーシー議員の懲罰決議を棄権することの、いったい何が悪いだろう? 私には理解できない。)

ツイッター引用を私は好まないが、ツイッター引用にはツイッター引用で答えたい。私はこの方とほぼ同意見。

大石格(日本経済新聞) on Twitter: "職場放棄を擁護する気はありませんが、簡単に除名する前例をつくると、何かの折に悪用されるおそれがあります。役に立たない野党はいらない、国会はいらない、民主主義はまだるっこしいという議論にもつながりかねません。おふざけ投票はろくなことにならんと知らしめる→ https://t.co/snpoBwLMOl" / Twitter

 

腕時計、指輪とかの装飾品とか固形物が身体に触れているのが非常に苦手なのだけど。 腕時計したことないし。@tais_ei@toot.blue

私も腕時計、もう何十年もつけていません。装飾品も皆無。面倒くさいし鬱陶しいから。

(ロレックスに代表される)高級腕時計をありがたがる文化は、私もとんと理解不可能だし、皮や布のバンドでも不快に感じる私が、唯一好んで着けていたのが、いただきものの懐中時計。ねじ巻き式で、しょっちゅう止まるので、次第に使わなくなったけれども。コーディネートとしての懐中時計は、やはりスリーピースのスーツじゃないと決まらない感じがする。

 

今日は妻の誕生日だというと、祝蕾(しゅくらい)の漬物が出てきた。

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久しぶりに酔った。さっきからかかっているDudu Tassa & The Kuwaitisが回るまわる。

(翌日)馴染みのバーでかかっていたドゥドゥ・タッサ&ザ・クウェイティスです。昼間に聞くとべつに回らない(笑)。ちなみにその店、「人民の敵」外山恒一氏がよく来るんだけど、私はいまだに遭遇したことがない。

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2023/02/24

マイナンバーカードは(中略)クソみたいなもんという気持ちしかない。ただ、そこに、「マイナンバーカードは国家権力が国民を完全管理するためのものだ~みたいな大いなる意思を読み込んで断言しちゃうのはうーんどうかな、とも思ってる。@shimatoneriko@vivaldi.net

私は行政が一括管理するための共通番号についてまでは否定していない。だってもうすでに全国民に個人番号は付いてしまっているんだもの。

ただ、今の政権与党と一部の閣僚が描く全国民マイナンバーカード所有が原則というヴィジョンは、あまりにも個人の選択意思を侵害していると思う。そして、権力者の支配欲はとどまるところを知らないとも思う。だからマイナカードについては、あえて警鐘を乱打している。

今日の午前は雨なんだそうだ。仕事に行ってきますね。

 

2023/02/25

www.itmedia.co.jp

何事も便利がよい。サクサクっと物事を進めたい人が、世間には大半なのだと思う。

マイナンバーカード一番の弱点は、カードの情報を読みとり、所有者が本人であることを確認するにはどうすればよいか、その手段が万全ではないことである。

行政は、今現在でも個人番号の確認を各事業所等に求めているが、その際「紙での証拠」=マイナカードの写し(コピー)を添付せよ、と依然として紙ベースである。利便性を求める人たちにとっては、まだるっこしいことこの上ないが、行政が、求められる平等性を遵守するかぎり、紙による証明はなくならないだろう。

なぜならば電子認証についていけない人が一定数いるからである。それはなにも高齢者に限った話ではない。社会にはスマートフォンを持たない人、クレジットカードを利用しない人、運転しないから免許証を持たない人が大勢いる。それぞれの理由があるから持たないし、使わない。そこには個人の選択権がある。

ただし例外がある。国民健康保険。国民は皆、保険証を使うために、保険料を払っている。それは任意ではない。ならば健康保険証は、本人であることを証明するための切り札であるべきはずだ。

なのに実際は健康保険証の写し(コピー)は本人確認の書類と認められないのである。なぜなら写真付きではないからだ。

健康保険証の不正利用問題には深入りしないが、①健康保険証をより確かな証明書にしたい、②しいては写真入りにすべきだ、③ならばマイナンバーカードと一体化してはどうか、という三段論法が進められたことは、閣僚や官僚でない一般人の私にでも容易に想像がつく。

だが、国会で十分な審議を経ぬまま、閣議決定と省令による、有無を言わさぬマイナンバーカード所持の強制に、私はことばに表せないほどの脅威を覚える。

順番があべこべではないか。国民の健康や生活を守る目的はないがしろにされ、為政者側にとって都合のいい手段だけが、次々に構築されていく。持たざる側の国民を置きざりにして。

その象徴が<マイナンバーカードをなくした人や取得していない人が保険証の廃止後も必要な保険診療を受けられるよう保険証の情報が記載された「資格確認書」>を発行するというものだ。 しかも、加藤厚労相は「資格確認書」について、患者が窓口で負担する受診料を高くする考えを24日に示した。つまり「マイナ保険証を持たざる者は二次的に扱う」と示したに等しい。

iPhoneもいずれマイナンバー機能を搭載するのだろう。すればいい。使える人は使えばよい。便利だ。

<写真付き公的身分証明書としての機能と電子証明書を搭載したICチップという2種類の機能>を備えたマイナカード。それをスキャンするのか、あらかじめ内臓するのかは知らないが、専用カードリーダーを普及させるよりかはよほど合理的だし移行はスムーズだ。

けれども私は乗らない。 セキュリティ云々の話ではない。情報は常に漏れ、盗まれ、奪われるものだ。その意味で私は「諦念」いや達観している。私の情報など微々たるものだ。持ち出したところで、たいした利益にはなるまいよ。私はPayPayもTポイントも楽天ポイントもメルカリもZOZOも使わない。使う使わないは自分で決める。便利でお得なキャンペーンに乗れない、時代遅れの偏屈爺だ。

だから、マイナンバーカード取得に乗り遅れるなの合唱には加わらない。国家よ。これ以上、奪わないでくれ。 私の自由意志と尊厳を。

ややエキセントリックに聞こえたかもしれないが、もう一度、記しておく。

国が政府が省庁が、ここまで躍起になって国民に是が非でもマイナンバーカードを持たせたい理由は何だろう。利権だけでは説明できまい。やはり国民の財産から健康までを徹底的に調べあげ、管理し尽くし、支配下に置きたいという魂胆があるとしか思えない。

政府は、マイナンバーカードを取得していない人には保険証の廃止後も必要な保険証の情報が記載された「資格確認書」を発行するという。 が、加藤厚労相は24日「資格確認書」を患者が窓口で負担する受診料を高くする考えを示した。 つまり、マイナ保険証を持たざる者は二次的に扱う、と示したに等しい。

①健康保険証をより確かな証明書にしたい、②しいては写真入りにすべきだ、③ならばマイナンバーカードと一体化してはどうか。

という三段論法で進めたのだろうが、国会での十分な審議を経ず、閣議決定と省令による、有無を言わさぬマイナカード所持の強制に、私はことばに表せないほどの脅威を覚える。

順番があべこべではないか。国民の健康と生活を守るべく健康保険の目的がないがしろにされ、為政者側にとって都合のいい「手段」だけが次々に構築されていく。マイナンバー制度の仕組みが理解できない、情報を持たざる側の民意を置きざりにして。カードを持つ・持たない、使う・使わないの選択権を奪って。

以上、とりとめのない今朝のトゥートを編集し、三連のスレッドとしてツイッターに投稿した。

 

中学生のときに読んだ新井素子氷室冴子のどちらか(後略)@kisakino_mina@mstdn.jp

本筋とは関係ない話で恐縮ですが。

新井素子さんの新刊本を池袋のリブロで購入しようとしたところ、視線を感じてふり返ったらご本人。のちに新井さんはエッセイにそのときのことを書かれていました。私が二十歳ごろの話です。

なんと。そのエッセイのタイトルわかりましたら教えていただけますでしょうか。読んでみたいです。

SF雑誌『別冊奇想天外』の「新井素子特集」の半ページ囲みエッセイです。うれしい驚き、みたいな感想でした。ちなみに私は持っていません。

ありがとうございます。雑誌なんですね。読んでみたかったですが何となく想像できます。いいお話です。

 

ハル・ブレインのご機嫌なスティックさばきが存分に味わえるサミー・デイヴィス・ジュニアの「ビートでジャンプ」。

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ほのかにただよう梅の香りが。

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note.com

「Do It Yourself」の背景には産業革命以降の工業化の進展によって失われた職人の精神や技術を取り戻し、家庭のなかで伝統的な男性性を維持しようという動きが存在したという…現代人の生活は機械的な労働と大量生産された商品に支配されるようになったが、そうした疎外状況に抗して手仕事の価値や職人精神の意義を見直し、自分でものを作るという行為を通じて自尊心や達成感を取り戻そうというのがDIYという運動の出発点だったと言えるだろう。『立志篇(3)』

前ブーストに示された田野大輔氏のDIYについてのノート記事、おもしろく読んだ。とくに、

資本主義に抵抗したつもりが結果的にそれに奉仕してしまうというこの逆説は、若者の対抗文化として登場したロックが商業的成功とともに当初の反骨精神を失い、消費資本主義に取り込まれていった過程を彷彿とさせる。

のくだりは、先ほどNHKBSで放送されていた『映像の世紀 バタフライエフェクト』を観たあとだけに深く考えさせられた。

ロックの反逆性は西欧のみならず東欧にも自由への解放をもたらしたが、今やポピュラー音楽の一ジャンルにすぎない。その変遷と並走してきた私は、レノンやボウイやリードのいない世界で生き続けている。

彼らの遺したメッセージを煎じ詰めれば、「きみの好きなようにやれ、きっとできるさ」だろう。すなわち"Do It Yourself"。イアン・デューリーのアルバムやピーター・ガブリエルの楽曲にも同じタイトルがあった。

ところで、家庭の中でDIY精神を発揮しているのは私ではなく、もっぱら妻である。修繕から工作まで、彼女は何でも自力でまかなう。

 

mainichi.jp

毎日新聞記者の西山太吉さん死去 【毎日】

沖縄返還交渉に伴う密約文書を入手、報道し国家公務員法違反に問われながらも、情報公開請求訴訟などを通じて密約問題の追及を続けた元毎日新聞政治部記者、西山太吉(たきち)さんが24日、心不全のため死去した。91歳

 

2023/02/26

「今回さまざまな経験をする中で、多くの“学び”があった」みないな話法が、どうも苦手だ。“学び”のところが“気づき”でも。

「今回の経験から多くを学んだ」といえばいいのに。「学び」とか「気づき」とか動詞を名詞化するのは、「〜させていただきました」と同じぐらい好きじゃない。

 

日曜日の午後、押し入れの中を探索して、ようやく発掘した。全56ページにおよぶ小?冊子、イエロー・マジック・オーケストラのパンフレットである。縦420㎜、横155㎜という細長いサイズで、一読して細野晴臣高橋幸宏坂本龍一の人となりや趣味嗜好がよく分かる、すぐれたYMOガイドブックになっている。いつ頃に発行されたものかは知らないし(おそらく『増殖』の頃)、どんな経緯で入手したかも忘れたが(買った覚えはないからたぶん誰かからもらったのだろう)、今となっては貴重な史料だと思う。シミ・破損など保存状態の悪いのが悔やまれるが、とりあえず表紙、見返し、中綴じの見開き、奥付を載せておく。

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タイトルの“Sutra”とは経典という意味だ。まさに。こういうビジュアルに訴えかける戦略が、当時の若者を魅了した。ご多分に洩れず私も、おおいに影響を受けた。

下は高橋幸宏が手がけていたブランド、Bricksの広告。渋谷パルコにショップがあった。

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このYMOのパンフを探したのともう一つ、別の目的があってね。それは押し入れの中にしまったマンガの単行本をひっ張り出すためだった。確か松本零士の『戦場マンガシリーズ』の最初の2巻(「スタンレーの魔女」等)があったはずだと思って。だけど見つからなかった。かわりに諸星大二郎とか文春まんが文庫の傑作選とかを発掘した。河あきらとかささやななえとかも探したんだけど、残念ながら見当たらなかった。あれ、どうしたんだろう。捨ててないはずだが。もう一度、読みたいなあ。

 

2023/02/27

清水眞砂子『あいまいさを引きうけて』

虚無の深さ。 「平和」のなかで蓄積されていくゆがみや疎外を直視できないことこそ戦争を引き起こすという指摘。

>「戦争を体験した人たちは、自分たちの戦争体験を語るとき、すごく楽しそうじゃないですか。」って。「みんないろんなことをとてもいきいきと語っている。だけど、先生、私たちには語るものなんてないんですよ。」

>私たちは、平和が生きのびられなくて戦争をおっぱじめるんじゃないか。やがて私はそう思い始めました。@quicksand@toot.blue

【虚無とは違うけれども……】

私が遺跡発掘調査で働いていたころの話。

試掘でトレンチを掘削しているとき、関西で事業に失敗して東京に来たと自称していたおっちゃんが、地面に突き刺した円匙に寄りかかりながら、こうぼやいた。

「あーあ、戦争でもおっ始まらんかいな。ワシは戦争待望や」

びっくりした私が、くそ真面目に真意を問うと、彼はこう答えた。

「一発逆転のチャンスがあるやんか。平和では状況が変わらへん。世の中がひっくり返るような大事が起こらんかぎり、チャンスは永遠にめぐって来ませんわ」

「でも、戦火に巻きこまれて死んだら一巻の終わりじゃないですか」

「それも人生や。いっそスッキリ逝ったほうが、病床で苦しむよりラクかもしれん」

 

それからすぐ発掘作業員を辞めた彼と、一年後に偶然に出会った。彼は軽トラで冷凍食品の配達をしている最中だった。

「忙しゅうてかなわんわ。ほなまたね」

戦争待望を口走ったときの彼よりも、生き生きしてみえた。 あのときも(捨てばちな気分だったのかもしれないが)虚無というよりもむしろ、どんな状況でも生き延びてやりまっせ、という自信の表れだったのかもしれない。

おっちゃん今でも元気にしているか。

 

かましさを嫌悪するさまが巧く表されている、と思った。もはや言い古された観点だろうが、自らを正義だと信じて疑わない者ほど自分とは異質な者を排除したがるものである。その無自覚な排除はそこかしこで目にすることができる。

懐かしの名画(BSプレミアムで『ドライビングMISSデイジー』を観た)でも、ここマストドンでも。

 

2023/02/28

【投稿範囲限定トゥート】

マストドンは投稿範囲をその都度こと細かに設定できるが、これまでは全てを対象に公開していた。今回はじめて、ひとつのトゥートをフォロワーのみに限定してみた。

かかる投稿、はてなブログには公開しないでおく。

鰯 (Sardine) 2023/02/28