鰯の独白

鰯は、鮪よりも栄養価が高いのです、たぶん。

Music

12年前に書いた小曲

これは昨年末に書棚を整理していたら出てきた手書き譜です。献呈した演奏家に一度だけ弾いていただいたんだけど、電話ごしに聞こえてきたそれは、初見ながら完璧だった演奏ゆえに、作者の力量不足を思い知らされる結果となりました。 拙い箇所がたくさんあり…

No explanation needed

① www.youtube.com Penguin Cafe Orchestra - The sound of someone you love who's going away and it doesn't matter ② www.dailymotion.com Hatfield and the North - Mumps: (a) Your Majesty is Like a Cream Donut (Quiet) / (b) Lumps / (c) Prenut /…

Twiitin' the Night Away(あれから35年)

昨日12月8日はジョン・レノンの命日だったのでツイッターでこんな発信をしてみた。 ジョン・レノンの最高傑作ソロアルバムは? — 岩下 啓亮 (@cohen_kanrinin) 2015年12月8日 twitter.com 今日12月9日に24時間経って確認したら1票しか入っていなかった(笑…

森繁久彌 キャベジンコーワ コマーシャルソング

いまは亡き森繁久彌氏が昭和40年代に出演していたキャベジンコーワのコマーシャルで忘れられないメロディーが二つある。べつに好きというわけではないが、白黒の映像とともに記憶の底にこびりついているのだ。 ときどき思いだしてはググってみるのだが、検索…

フランク・ザッパ・ア・ラ(イブ)・モード

ども。二日前ツイッターに復帰したイワシでございます。あそこはやっぱりおもしろい広場で、なにごとか発信していると、なんらかの反応が返ってくる。ま、ブログの下にも表示されているツイートボタンから、数値表示が廃止されたのは寂しいけど。 で、たぶん…

我が道を行く。“Young person's guide to トッド・ラングレン”

トッド・ラングレンのベスト盤は山ほどあって、でも、大概がありきたりの選曲でつまんない。たかが120分程度聴いたくらいで、トッドの凄さがわかる訳ゃない。 てなわけで、今日はそういう既存のベストから零れ落ちがちなナンバーを20曲、思いつくまま並べて…

『あらかじめ壊れていた関係』 パディ・ジョーとウェンディの話

"Paddy Joe, say Paddy Joe Don't you remember me?" ※ ニューカッスルからロンドンに出てきたばかりの頃は、成功するかどうかなんてまったく想像もつかなかったよ。ぼくらは自主制作のシングルを出して、それがたまたま(BBCの)ジョン・ピールに気に入られ…

アル・クーパー『赤心の歌』

「レコード会社に提案したんだ、ジャニス・ジョプリン(のバンドリーダー)にアル・クーパーをあてがったらどうかと。きっと凄いものができあがるだろうから。まともに取りあっては貰えなかった。いいアイディアだと思ったんだがな……」ボブ・ディラン B○○K○F…

『アメリカン・ビューティー』

2015/09/17。安保関連法案における、参議院の特別委員会で、与党が姑息な手段を使って、法案を可決するという、暴挙を目のあたりにしながら、のんびりと音楽夜話に興じる気分には、なかなかなれない。けれども緊張の糸を、張りつめたままでいると、いつプツ…

Anymore For Anymore ロニー・レーン 漂泊する魂

今日もペタペタ貼っつける、つもりなんだけど…… Youtubeが有料化されるかもしれない、のだそうだ。 「YouTube有料化」説が広がる 実際は「YouTubeが有料会員サービスの導入を検討」報道なので注意 - ITmedia ニュース となると、今みたく気軽に貼りつけられ…

「好きなギタリスト」について(はてなブログの〈トピック〉に反応した号外)

トピック「好きなギタリスト」について ピート・タウンゼント です。 かれよりもテクニカルなギタリストは数多いるが、 かれほどクリエイティヴなギタリストは数えるほどしかいない。 ヘンリー・パーセルからジョン・リー・フッカーまでを視野に収めつつ、 …

パラフレーズ/ キース・エマーソンの『ピアノ協奏曲第1番』

この稿は、協奏曲それぞれ三つの楽章にあてはめる試みをくわだてたが、断念し、自由連想式に書き連ねることとする。 ※ タイトルを検索して訪問された方は画面を下にスクロールして巻末の【追記】をご覧ください。この本文に情報としての価値はほとんどありま…

『ロシュフォール』に憧れて

ジャック・ドゥミ監督が1967年に制作したフランス映画、『ロシュフォールの恋人たち』。その色あざやかな映像と、ミシェル・ルグランによる素晴らしいサウンドトラックは数多の人びとが絶賛しており、いまさらぼくがつけ加える要素など何もないけれど(試し…

ロベルトの金曜日

ロベルトは作曲家であり、演奏家である。ぼくから連絡を取ることは滅多にない。が、昨夜ひさしぶりに電話がかかってきた。以下、ぼくの部分をなるべく割愛し、かれの語った部分を忠実に書き記しておく(本人承諾済み)。 「やあロベルト。めずらしいね、きみ…

『フランクのヴァイオリンソナタ』について私が知っている二、三の事柄

Kozolupova, Tamarkina やあ鰯です。さきほど自分の処女作を書き写し終えたばかり。細かいところを何箇所か修正したけれど、基本的には初稿のまんま。悶絶しながらキーボードを叩きましたよ。なんとまあ説明的な文章だとか、これほどクサくて典型的なシチュ…

トッド・ラングレンの「テクノポリス」

昨日、リュウジが休憩中にひょっこり現れた。 「こないだ借りたジョニ・ミッチェルのボックス、返しにきた」 袋の中をみると、おや、もう一枚入ってる。 「これは?」 「トッドの新譜。こないだ、ツイッターに書いとったろうが」 ぞんざいなデザイン。らしい…

追悼、アンディ・フレイザー

好きだったなあ、かれのベースプレイ。 押すところは押す、引くところは引く。 弾かないで済むなら、弾かないでいる。 べつに怠けているわけではない。 必要がない場所に音を置かないだけだ。 「フリー」は、その名が示すとおり自由だった。 空間(スペース…

イーノ在籍時のロキシー・ミュージック

ブライアン・イーノが在籍していたころのロキシー・ミュージックが好きだ。もちろんそれ以降も素晴らしいのだけれども、初期の2枚における「新しさ」は格別だ。永遠に古びない、未来の音楽。 論より証拠。映像を4つ掲げる。ご覧あれ。 ① Roxy Music - Rema…

『ブラック・ローズ』 アイルランドの英雄 フィル・ライノット

やあ、ご機嫌いかが? 久しぶりに好きなロックについて語ろうか。 シン・リジーが大好きなんだ。フィル・ライノットに憧れている。 おれが女だったらヤツに惚れるね。フィルはきっと優しいだろう。 フィルの歌声を聴いているとさ、なんか懐かしい気分になる…

岩崎宏美 『未来』

毎度の訪問、ありがとうございます。これはぼくからのささやかなお年玉。 (左側のオケの配置からして「紅白歌合戦」か? アップありがとうございます!) 元旦、Twitterで自分のほんとうに好きな音楽をYoutubeから貼りつけて悦に入っていたところ(イワシ …

レスリー・ダンカン 「もしもあなたのこころを変えられるのなら」

拙ブログ「鰯の独白」のアイキャッチ画像の女性は誰か? という質問がありました。じつはぼくも知らずに貼りつけたんだけど、調べてみたら、ジョアンナ・ニューサムという、けっこう有名なアメリカの歌手でした。 Joanna Newsom - "The North Star Grassman …

『ジョンの魂』 1980.12.8

ジョン・レノンのアルバムで、どれか一つを選べといわれたら、ぼくは迷わずこのアルバム『ジョン・レノン/プラスチック・オノ・バンド(邦題:ジョンの魂)』を差しだすだろう。『ジョンの魂』はすべてのロックを見渡してみても最も重要な作品のひとつであ…

発条仕掛け

(不謹慎なエントリですので、ご注意ください。) 御嶽山が噴火したときに誰もが木曽節の一節を思い浮かべたことだろう。そう、あの「♪ 木曽のナー なかのりさん 木曽の御嶽山はナンジャラホイ〜」という、調子のよい長野県民謡を。 ぼくはさらに、木曽節の…

田中康夫 『33年後』に聞こえる音楽

田中康夫の小説『なんとなく、クリスタル』でいちばん笑ったのは、ビリー・ジョエルを「ニューヨークの松山千春」と一刀両断していたことである。 あの本を読んだのはいつごろだったか記憶はあやふやけど、ぼくは筋書きをちっとも覚えてなくて、あの膨大な数…

レポート 『ゲルギエフ指揮・マリインスキー歌劇場管弦楽団公演』 2014.10.09 於:熊本県立劇場

コーエンに貼っていたこのでかいポスターは、おれがもらった。 ※最近ではTwitter経由でない訪問者がちらほらいらっしゃるので、まとまったツイートをしたときは、このブログにもあげることにした。 1)マリインスキー歌劇場管弦楽団、さっき終了。というか、…

まぼろしの『ホワイトアルバム』(ザ・ビートルズ)

註:この記事はジョージ・マーティン氏がまだ存命中のときに書いた。 The Beatles - The Beatles [1968] - YouTube モノラルが断然いいです(が、削除されてます)。 鰯「本日、サー・ジョージ・マーティンに……」 ジョージ・マーティン(以下G)「サー、は…

U2.3(U2賛)

19 - U2 Walk On (Slane Castle Live) HD - YouTube U2は、いつも向こう見ずだった。あえて火中の栗を拾いにいくところがあった。今回もそうだ。無料配信をして、人びとがどのような反応を示すのか、リサーチするまでもなく想像ついたはずだ。歓迎しないひと…

MC5 『ハイ・タイム』

open.spotify.com ロックンロールに浸りたいとき、きみはどんなアルバムを選ぶだろうか? おれは、MC5だな。42分、徹頭徹尾ひたすらロックンロール。外連味のウェイン・クレイマーと切れ味のフレッド・ソニック・スミスがかき鳴らす、二挺のエレクトリックギ…

『バイク』 坂本真綾

今日の収穫。坂本真綾のシングルコレクションvol-2、『ニコパチ』(03年)。 坂本真綾のベストアルバムとしては、2枚組の『everywhere』(10年)があり、これでデビューからの約10年間をおおよそ俯瞰でき、選曲も納得できる内容ではあるけれども、唯一ぼくの…

『サイケデリックの新鋭』 ピンク・フロイド ファーストアルバム

ピンク・フロイドといえば、押しも押されもせぬビックネームであり、ぼくも御多分に洩れず、中二のころ『狂気』に出会い、いまなお大好きなプログレッシヴ・ロックバンドの筆頭に位置するが、たまに、この1967年に発表されたファーストアルバム『夜明けの口…