漁師に扮した森繁が、船上で網をたぐり寄せながら、調子よさげに唄う。
「♪ 魚が獲れただよ~ 船に一杯よ~ 可愛いあの娘によ~ 逢いにゆくんだよ~」
森繁・キャベジン②(ブランコ編)
黒澤明の映画『生きる』のパロディか、志村喬よろしくうらぶれた態でブランコに揺られながら唄う。
「♪ 人生(青春)が花ならば いつの日か散っていく この若き若者よ 熱き血潮のたぎるまま……」
(下線部は歌詞があやふや。なにせまだ子どもだったもんで、記憶が不確か。)
典型的な森繁節で、後半になると空を見あげて感無量といった表情を浮かべるが、惜しくも時間切れ、曲はフェイドアウトする(おそらく続きがあるはずだ)。
終盤にちょっと小粋な借用和音が聞こえるが、あいにく今は楽器で音を確かめる余裕がない。コード進行が判明したら追記します。
【追記】終盤の4小節、最初は[ ]-D7-Gm7-C7としてみたが、それほど明確な終止形ではない。が、あとで[ ]にCをはめこんでみたら、あっさり謎が解けた。この4小節間はCーE7ーAm7ーD7である。たぶんコマーシャルがフェイドアウトしたあとに曲はGm7ーC7ーFと解決するのであろう。ちなみにこれは「ひみつのアッコちゃん」のサビ、「♪ シンデレラ姫が飛びだした~」の部分と同じ和声進行である。そのころ流行ってたんだろうか?
繰りかえし申しあげます。「知ってる」という方は鰯にお知らせくだされ。記憶をシェアしましょう(笑)。
【追記2】さっそくツイッターにとても嬉しい情報をお寄せいただいた。
①は『新・大漁節』で、②は『青春が花ならば』です。森繁久彌全曲集の四の『老いた舟乗りのバラード』に入っております。