iPhoneのアプリでYouTubeを観るのは限界がある。が、はてなブログに画像を貼りつけると(理屈は不明だけど)観られる場合もある。
たまに聴きたくなるムーディー・ブルース。連作ともいえる7枚の(フル)アルバムで試してみよう。
註;けれどもムーディー・ブルースの場合、YouTube動画をブロックされることが多いのでSporifyに切り替えました。ご了承ください。
①「デイズ・オブ・フューチャー・パスト」Days Of Future Passed
The Moody Blues - Days Of Future Passed (1967) (Full Album) (Original Mix)
1967年。ジャスティン・ヘイワード(ギター・ヴォーカル) とジョン・ロッジ(ベース・ヴォーカル)を新メンバーに迎え入れた第2作。シングル「サテンの夜」が世界中でヒット。オーケストラの音質がすばらしい。クラシックを録る際の技術を使っているのだろう、たぶん。
②「失われたコードを求めて」 In Search Of The Lost Chord
親しみやすいアルバム。「ライド・マイ・シーソー」やレイ・トーマス(フルート・ヴォーカル)※が活躍する「ティモシー・リアリー」など、入門盤に最適。68年。
③「夢幻」On The Threshold Of A Dream
傑作とされているが、私的にはいまいちピンとこない。アルバムの末尾を飾る「ハヴ・ユー・ハード」の組曲はマイク・ピンダー(キーボード・ヴォーカル)の操るメロトロンMkⅡをたっぷり堪能できる。69年。
④「子供たちの子供たちの子供たちへ」To Our Children's Children's Children
Moody Blues - To Our Children's Children's Children Vinyl LP
私のいちばん好きなアルバム。出だしのロケット発射音&グレアム・エッジ(ドラムス・ヴォーカル)の朗読からワクワクする。ドラムは巧くないけど彼は詩人であり、グループの精神的支柱である。69年。
⑤「クエスチョン・オヴ・バランス」A Question Of Balance
冒頭の「クエスチョン」は、これぞジャスティン・ヘイワードと言いたくなる雄々しい曲調。が、中間部の旋律に、さだまさしの「関白宣言」を連想してしまうのは私だけだろうか。70年。
⑥「童夢」Every Good Boy Deserves Favour
日本でもっとも有名な一枚だろう(とくに邦題が)。アルバム全体の印象は牧歌的。ぶ厚いコーラスに5人の団結を感じる。白眉はやはり末尾の「マイ・ソング」(ピンダー作)かな。71年。
⑦「セヴンス・ソジャーン」Seventh Sojourn
連作の最終章。次のスタジオアルバム『オクターヴ』まで6年のインターバルが開き、その間にピンダーは引退してしまう。冒頭「失われた世界」のサビは「いい日、旅立ち」を連想するし、ラストの「ロックン・ロール・シンガー」(ロッジ作)はロシア民謡みたいだけれども、その非ロック的な佇まいがムーディー・ブルースの真骨頂といえるだろう。72年。
どう?
ムーディー・ブルースは熱烈なマニアが多いのでうかつなことは書けないが、できればこの7枚、ぜんぶ揃えてほしい。楽しみが倍増すること保証します。
叙事詩に綴られた精神遍歴はあたかも黙示録のようであるし、スペキュレイティヴ・フィクションのようでもある。
聴くばかりではなく「読む」や「識る」も大切だ(それは何も歌詞に限らない)。そのことを私はムーディー・ブルースから教わった。
なーに気負うことはない。日本のGSにも影響を与えた、穏やかで優しい歌がほとんどなんだから。
【追記】
パトリック・モラーツをキーボードに迎えいれて制作された『オクターブ』を、私はそれほど熱心には聴かなかったけど、それでも泣けてくるほど好きな歌がある。「ハッド・トゥ・フォール・イン・ラヴ」
ジャスティン・ヘイワードって『童夢』⑥がそのまま老境まで持ち越した感のある人だけれども、ジャスティン爺さんの瞳には今でもおとぎ話のような田園風景が映ってるんだろうな。
Justin Hayward - The Story In Your Eyes ft. The Quartetto Euphoria
※2018年にムーディー・ブルースはロックの殿堂入りを果たしたが、その報せを受けてまもなく、レイ・トーマスは旅立ってしまった。追悼に代表曲を。かれの死生観はここで既に示されていた。
THE MOODY BLUES-R.I.P. RAY THOMAS-LEGEND OF A MIND (TIMOTHY LEARY'S DEAD)-1968